終わりはこんなにも突然に来るんだ。
終わりと始まり
僕だけなんだろうな。きっと。
まわりの十二支の面々を見て、そう思う。
皆から僕はどう映っているんだろう。
一人だけ、仲間外れにされたようで不安だった。
でも…不安の中にも光があったんだ。
「あ!トールー!!」
「!!紅葉くん!」
僕が見つけた原石だと思った。
僕だけの天使だと思った。けど……
「何やってるの?」
「夾くん…見ませんでしたか?」
「キョー?見てないよ?どうかした?」
「いえ…只気になったものですから。」
でも…きみはこっちを向いてくれないね。
もう、人前できみを抱き締めることができるのに。
もう、躊躇うことなく、抱きつけるのに。
どうして神様は、僕に彼女を好きにさせたのか。
苦しいだけの恋なんて、しない方がいい。
「それよりトール!一緒にアイス食べに行かない?僕、おごるし☆」
「アイスですか…行きましょう!あ!でも、おごらなくていいですよ!」
謙虚なトールもなおさら可愛い。
本当に愛おしく思える。
僕と皆を繋ぐ絆の終わり。
僕が普通の人になれた始まり。
大好きだよトール。
本当に大好きだ。
きみが振り向いてくれなくても、僕はきみが大好きだよ。
終わりと始まり。
僕はどこへも行けず、立ち止まる。
「ねぇトールは何アイスがいい?」
「そうですねぇ…イチゴですかね…紅葉くんは?」
「そうだね…僕は…」
こんなふうに、ずっときみと笑って過ごせたらいいのに。
『終わり』はうれしくて。
でも少し悲しくて、寂しくて。
『始まり』はすごくうれしくて。
でも、不安で倒れそうで。
『終わり』も『始まり』もなければいいのに。
「紅葉くん?大丈夫ですか?」
「え?あ!うん。大丈夫だよ♪」
僕の顔を覗きながら言う。
本当に、可愛い彼女を見て、今はこのままでいい。
そう思える自分が変われたって思えて、ちょっぴり嬉しい。
「あ!トール!アイス屋さん見えて来たよ☆☆」
「あ!はい!!」
いつか。
何時の日にか。
君が僕を好きと言ってくれる日を待ち望んで。
前にも後ろにも進めない僕は、只立ったままで待つんだ。
君がいつか、手を差し伸べてくれる日を・・・
後書き--------
どうもこんにちは。狸ですv
はい。切ないです。
はい。悲しいです。
可愛そうですねぇ〜ホント、、
もみっちには、幸せになって欲しいなり。。
もみっち〜っっ!!!!
気が向いたら、甘も書きます(え。。
でも、一応此処のページは、シリアス系中心やからなぁ。
2006/09/19/ 狸作