「雛森――!!」
「乱菊さん!」
いくら私が求めてもあんたは振り向いてはくれないね。
いつだってあんたは隊長を見てるんだから。。
こっち向いて。
私があんたのこと。好きって言ったらどんな顔するかな。
つい姿が見えたから呼び止めてしまったけど。
何を話せばいいのか迷う。
「どうしたの?乱菊さん」
「あんたも飲んで行きなよ。」
咄嗟に、私は京楽隊長の、持っている酒瓶を取って、雛森に見せる。
「私はいいです」
遠慮がちに笑うその笑顔が、私の心に染みていく。
素直に可愛いと感じてしまった。
「なんで?飲んで行ったら?」
どうして、飲んでいかないのか。気になった。
私は、一緒に飲みたかったから。。
「まだ仕事があるんです。それに……」
「それに?」
雛森は照れながら言う。
「これから、日番谷くんと餡蜜食べに行くんです。だから……」
「そう……」
結局、私はいつも隊長に負ける。
隊長はずるい。
「私も行ってもいい?」
気付いたときには、言葉を発した後だった。
「乱菊さんも?………いいですよ!いきましょう!」
こんなに簡単にOKをもらえるなんて。思っても見なかった…
私は、只々驚きと嬉しさの中にいた。
流魂街でも有名な餡蜜の店の前に、私と雛森は居た。
「あ〜2ヵ月ぐらい久しぶりだわ。。」
「そうなんですか?」
「うん…………って隊長…甘いもの苦手じゃなかった?」
たまたま思い出した、隊長の情報。。
頭でわわかってるけど、ついつい嫌な、言い方をしてしまう。
「そう………でしたっけ?」
「だと思うけど…ま。入ろ。外に居なかったら、隊長も入ってくるでしょ。」
「…………はい。そうしましょうか、」
店の中には、私たちの他に鹿草と仕方なく付き合って、来ている更木隊長がいた。
(更木隊長も大変だなぁ。)
他には、普通の人たちが大勢いる。
さすが。流魂街の有名店!空席を探すのも一苦労だわ。
やっとの思いで見つけた空席に、私と雛森は腰をかける。
「いらっしゃいませ。何にしましょう。」
「ん〜私は餡蜜。雛森は?」
「じゃぁ私も餡蜜で。」
「はい。餡蜜2つですね。少々お待ちください!」
餡蜜が来るまでの、時間。
私は、雛森を独占することができた。
こんなチャンスを逃すわけがない!!
「ね〜隊長と2人で来るつもりだったの?!」
「えっきゅっ急に何ですか!?乱菊さんっ」
雛森の頬がピンク色に染まり、焦っていた。
(素直だなぁ。)
そう。雛森は素直なんだ。
私は本当に悔しい。
こんなに可愛い…
こんなに素直な雛森を独り占めにしてる、隊長が…本当に羨ましい………………
「そっそういえば。日番谷くん遅いですね。」
先程の私の質問を、振り切り、私に問い掛けてくる。
その雛森の首には冷や汗なのか。
一筋の汗が伝う。
「本当ね。何やってるのかしらね」
わたしは、そう思いながら、隊舎の隊長室を思い出す。
(そういえば………)
今、思い出した。
そういえば。
雛森に行くと聞いて、私は隊長を足止めするために、
私の仕事と隊長の仕事を山積みにして隊長室の隊長の机のうえに置いたっけ。
となると、まだ来ないだろう。
あの量だと、なかなか終わらないであろう。と、容易に想像ができた。
「やっぱり………隊長を待ってるんだ………」
「えっ!」
驚いた顔もまた可愛い。
だが。やっぱり、私は悔しかった。
自分のした質問だが、こんなに素直に答えられたら、間に入る隙もない。
(こっち向いてよ……)
すっかり耳まで赤くなってしまった雛森。
すごく可愛いけど、すごく悔しい。
「わるかったな。雛森…………って松本!!お前!仕事を俺に押しつけやがって、何、いけしゃあしゃあとお茶してやがる!!」
「ごめんなさい。隊長〜っ」
隊長はいつも以上に怒っていた。
きっと…隊長も………
嫌々!その考えは止そう。
それじゃあ、まるで私が負けたみたい。それは嫌!
(絶対負けてやらないから!覚悟しててください!隊長!)
私達はとりあえず隊長を交えて、甘い餡蜜を頬張った。
後書き―――
ついに書いちゃいました笑
すみませんねぇ〜GL嫌いな方々・・・自己満サイトなので苦笑
これは、ずっと、ネタ帳に眠っていた、小説を完成させただけです苦笑
えぇ〜。よくわからない小説になりましたねぇ。。
すみませんね。。変な小説で↓↓
また、感想を、bbsやmailで聞かせていただければ嬉しいです。
2006.08.03:狸作
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