桜は好きじゃ
おぬしのことがようわかったからの・・・
おぬしはどうなんじゃ?
砕蜂・・・・
花見
「夜一様ぁ――――!!!!!!!」
「砕蜂!!こっちじゃこっち!!」
砕蜂が儂の方に走ってくる。
今日は花見をすることになっておった。
儂は絶好の花見スッポトに居た。
桜の花びらが風に舞い、その花びらの中を砕蜂が走っている。
なんて絵になるんじゃろうか・・・
キラキラ輝いている砕蜂に目を細めながら見る。
息を切らせながらこっちに走ってくる砕蜂。
「もっ・・・持ってきましたよ。」
「ごくろうじゃった。まぁ座れ。」
「失礼します。」
全身に汗をびっしょりとかいておった。
それだけ急いで来てくれたというのを悟れた。
「重かったかの?すまぬな。」
「いえ・・・・全然・・・大丈夫です・・・・」
砕蜂が持ってきた包みを受け取る。
早速儂は包みを開く。
包みの中にはお重が入っており、その一番上のふたを開ける。
「うまそうじゃの〜」
「急いで作らせましたからそんなに品は無いですが・・・・・・」
「いや。これだけあれば十分じゃ。ご苦労じゃった。砕蜂・・・」
「いっ・・・・・・いえ・・・・」
砕蜂は頬を赤らめて答える。
可愛ゆいの。
そう思っておる儂のことを気がついたのかどうなのか判らんが、余計に頬を赤く染める。
お重には箸が二膳入っておった。
「二膳・・・・・かの?」
「おかしいですね。三膳と言ったんですが・・・・取ってきますか?」
そう言って立ち上がる砕蜂。
「いい。二膳で何とかなるじゃろ。」
砕蜂の服の裾を少し引っ張り止める。
「ありがとう。砕蜂・・・・」
「いっ・・・いえ・・・・」
砕蜂は儂の隣に座る。
先走りしすぎじゃなぁ・・・・・・・
まぁそこがまた可愛いんじゃが・・・
儂はしばらく砕蜂を見つめていた。
「どっどうしたんですか?夜一様・・・・」
「ん?なんでもない」
そう砕蜂には伝え桜の木を見上げる。
「綺麗じゃの・・・・」
「はい・・・・」
「ひと時の間だけ咲きあっという間に散ってしまう・・・なんて儚いのじゃ」
「・・・・そうでしょうか・・・・」
「ん?」
儂は桜の木から砕蜂に目を移す。
砕蜂は桜の木を見ている。
「・・・・たったひと時のことかもしれません。ですがそのひと時は私たちにとっては素敵な時間ではないでしょうか。」
砕蜂は続ける。
「桜の花はあっという間に散ってしまって儚いかもしれません。でも私たちが得るものは大きいのでないでしょうか・・・」
砕蜂はわずかながら目に涙をためていた。
儂はその涙を拭ってやった。
「夜一様っ!!!!」
「・・・・そうじゃの・・・・儂等が得るには大きすぎるものをくれるの。桜は・・・」
「・・・・・・」
「儚いと言ったのは間違いかもな・・・・」
「・・・・・・・そう・・・・ですね・・・・」
桜を見上げる。
風に桜の花びらが舞い踊る。
まさか砕蜂がこんな風に桜を言うとはな・・・・・
しばし砕蜂の言った言葉をかみ締めながら桜の木を見る。
なんて綺麗なんじゃろうか・・・・
空はいつしか夕刻に移っていた。
「おっと!!もう夕方じゃの。ほれ。はよう食べんと!!!」
「あっあんまりお急ぎになられるとっ!!!!」
「ゴホゴホッ」
「大丈夫ですか?夜一様!!!」
大好きな人との花見はこんなに楽しいものかと。
初めて感じた花見じゃった。
「は―っ死ぬとこじゃった・・・・・・・・・砕蜂・・・」
「はい・・・」
「来年も来ような・・・・」
「はい!」
後書き―――
短い!!!!
こんな短い小説初めて書いたかもってぐらい短いです。笑
いつもだらだら書いてごめんなさい。
今回は季節外れの桜!桜!!で・・・・
反省文行きだなぁ。これも・・・
今回は夜一さんを主役っぽくしてみました。
もうちょびっとエロくしようと思ってたんですが、できませんでした。
ってか前の小説書いてたときに思いついたネタがこれかいてるときにすっぽり抜けちゃって・・・・
ヤバイどころじゃないぐらいやばいです。笑
まだまだ反省文も小説と詩を更新するごとに更新してますので、よろしくお願いいたします。
それとbbsなどにどしどし書き込みのほどよろしくお願いいたします。
2005/12/21狸作
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